「また新しい解説…」が「あ、これも同じだ」に変わるまで。

先日、ある生徒さんが少し興奮気味に話してくれました。

「今までは、問題が解けなくても、解説を読めば何となく分かっていました。でも、新しい問題を解くたびに新しい解説が出てきて、覚えることがどんどん増えていく。『もうこれ以上は覚えられない』と思って、問題集が先に進まなくなっていました。

でも今は、考え方や解き方が分かってきたら、『同じ問題が、単語を変えて出されているだけ』のように見えてきたんです。そうすると気持ちも楽になって、問題集を先に進められるようになったし、正答率も上がってきました」

これは、とても大事な話だと思います。

やる気があるのに、問題集が進まない

英語が嫌いだから勉強しない。
やる気がないから問題集を開かない。

それなら、原因は分かりやすいですよね。

でも実際には、

「できるようになりたい」
「今度こそ頑張りたい」
「ちゃんと勉強しよう」

と思っているのに、問題集が進まなくなる人がいます。

なぜか。

一問進むたびに、「新しく覚えなければならないこと」が増えていくように感じるからです。

最初はまだいいんです。
一つ覚えて、もう一つ覚えて。

ところが先へ進むほど、解説が増える。
例外が増える。
知らないことが増える。

頑張って坂を上っているはずなのに、先へ行くほど傾斜がきつくなる。

「これ、どこまで覚えれば終わるんだろう……」

そう感じたら、問題集を開くこと自体がだんだん重くなってきます。

これは「やる気」の問題というより、「この方法で本当に最後まで行けるのか」という不安なのだと思います。

そして実は、こういう話をする生徒さんは一人ではありません。

「解説を読めば、その問題は分かる。でも次の問題になると、また別の解説が必要になる」

似た悩みを、これまで何度も聞いてきました。

講師も「お友達方式」で失敗しました(笑)

その気持ち、私はすっごく分かります。

なぜなら、私も宅建の勉強をしていたとき、まったく同じ状態になったからです(笑)

新しい問題を解く。
知らない知識が出てくる。

「はい、また新しい友達が出てきたよ」

私は新しく出てきた知識や解説を「お友達」と呼び、できるだけ仲良くなろうと努めていました。

ところが困ったことに、その友達には友達がいるんです。

さらに、その友達の友達にも知り合いがいる(笑)

勉強すればするほど交友関係だけが広がっていき、

「もう全員とは仲良くなれません!」

となり、試験に落ちました。

プロは全部をバラバラに覚えていない?

今でもネットを見ていると、ときどき宅建の先生のCM動画がおすすめに出てきます。

それを見るたびに思います。

たぶん、こういう先生方は、私のような「お友達方式」で一個一個覚えているわけではないんだろうな、と。

その分野を理解するための大きな考え方や、何本かのストーリーのようなものがあって、新しい知識もその中に位置づけて理解している。

だから、初めて見る問題でも考えられる。
少し形を変えられても対応できる。

いわゆる「応用が利く」というのは、こういうことなのではないかと思います。

英語も、実は同じです

そして、英語も同じです。

英語には、何千、何万という英文があります。
TOEICの問題も、毎回まったく同じ文章が出るわけではありません。

だから、一問ごとに「この問題ではこう」「次の問題ではこう」と解説を増やし続けていたら、いつか苦しくなります。

大切なのは、新しい問題に出会うたびに知識を一つ追加することではなく、

「この問題も、結局あの考え方で説明できる」
「単語は違うけれど、見ているポイントは同じ」
「前にやったことが、ここでも使える」

と、知識同士がつながっていくことです。

名付けて「芋づる式イングリッシュ」

一つ分かると、あれも分かる。
あれが分かると、それも分かる。
それが分かると、初めて見る問題まで解けるようになる。

私はこれを勝手に、

「芋づる式イングリッシュ」

と呼んでいます(笑)

もちろん、英語のすべてが一本のルールだけで説明できるわけではありません。

でも、バラバラに100個覚えなければならないように見えていたものが、実は数本の大きな考え方で整理できることはたくさんあります。

そこが見えてくると、問題集の見え方が変わります。

「また知らない問題が出てきた」ではなく、

「あ、これも同じだ」

と思える瞬間が増えてきます。

覚えるものが増え続ける勉強から、
できることが増えていく勉強へ。

そうなると、気持ちが楽になります。
問題集も先へ進めるようになります。
そして、解いた量がきちんと力として積み上がり始めます。

「同じ問題に見える」は、力がついた証拠

今回の生徒さんが話してくれた、

「同じ問題が、単語を変えて出されているだけのように見えてきた」

という言葉。

これは、単に問題に慣れたということではなく、問題の表面ではなく、その奥にある「共通する考え方」が見え始めたということなのだと思います。

できるようになりたい。
だから頑張っている。
でも、進めば進むほど苦しくなる。

そんなときは、「もっと頑張らなければ」と考える前に、覚えるものを増やしすぎていないか、一度見直してみてもいいかもしれません。

英語は、出てくるもの全部と「お友達」にならなくても大丈夫です(笑)

大切なのは、バラバラに見える知識の「つながり」を知ること。

ちなみに講師の宅建はどうなったのか。

学び方を変えたら、受かってました(涙)

英語も、学び方が変わると、同じ問題集がまったく違って見えてきます。